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当院の精神医療について詳しく知りたい方へ

当院の精神科診療の特徴

快適に療養できる病棟。
病棟は、精神科一般病棟、精神科療養病棟に分かれております。ゆっくり静養したい方のために、個室の用意もありますのでご相談ください。
精神面、身体面両方のケアを目的としています。
当院では患者様の精神面の治療だけではなく、身体の健康を守る取り組みをしております。精神科の病気を患うと運動不足や偏った食生活に陥る場合が少なくありません。
また、治療のため長期に渡って薬をのまなければいけない場合、薬の副作用で肥満やメタボリックシンドロームになる可能性も高いと言われています。こうした身体的健康を守るため外来では、デイケアで「ステップ」プログラムを採用しております。
このプログラムでは、多職種間で連携を取り、精神疾患を患う患者様の肥満・メタボリックシンドロームや糖尿病などの予防対策として、運動療法、栄養指導を用いて生活習慣の改善を目指しています。
物忘れ外来・物忘れ予防外来を行っております。
近年増加傾向にある認知症に対し、患者様ご本人および介護に悩むご家族様の苦痛や負担を少しでも軽減するお手伝いができればと考え、物忘れ外来を行っております。また、認知症の前段階である軽度認知障害の診断と対応を行い、認知症予防の取り組みを行っております。
大人の発達障害の診療を行っております。
幼少期には気づかれなくても、成長して友達関係が増えたり、アルバイトや進学、就職活動、転職などをきっかけとして、対人関係の問題が明らかになることがあるため、大人の発達障害が注目されています。当院では、16歳以上の発達障害の診療を行っております。
信頼の置ける診断を受けることができます。
精神科診断は、標準的な診断基準であるアメリカ精神医学会のDSM-5に習熟した医師が行っております。

当院の精神科医療と地域の関わりについて

発達障害、統合失調症関連障害、気分障害、不安障害、ストレス因関連障害、身体症状症及び認知症など、精神疾患の患者様が外来・入院治療の対象となり、他医療機関からのご紹介も承っています。

なお、重度の身体合併症を併発された患者様については、身体疾患に応じ、他医療機関に診療を依頼し、対応をお願いしています。

心身の疾患に罹患された患者様について、可能な限り迅速に対応いたしますので新規の受診相談・入院相談は末広橋病院医療相談室(025-274-6311相談時間:平日(月~金) 9:30~16:00)までご相談ください。精神保健福祉士がお話を伺います。

「◯◯の様な精神症状が出ているが、精神科医療の対象となるだろうか?入院治療は可能だろうか?」といった内容もご相談ください。 当院通院中、入院中の患者様に関してのご相談も医療相談室にてお伺いいたします。

検査内容

血液検査、レントゲン検査、脳波検査、心理検査等がご利用いただけます。
※当院では、MRI、CT、SPECT等の画像検査については実施できません。必要な場合は、別途他院への受診をお願いしています。

うつ病(躁うつ病)専門外来

うつ病は、日本人の約15人に1人が一生に一度は経験するといわれ、誰にとっても非常に身近な病気です。

しかし、うつ病は躁うつ病と違う病気であることがわかってきたものの鑑別しにくいことや(表)、近年では「新型うつ病」等と呼ばれる概念の広まりがあり、専門家でも診断が難しい病気です(図)。うつ病の発症には遺伝要因、ストレス、生育・生活環境、身体的な要因、性格など多くの要因がいくつも関わっていると考えられ、ひとりひとりの患者さんに則した「見立て」と治療が必要になります。また、最近の研究によると、女性だけでなく男性でもみられる更年期障害や認知症、糖尿病などもうつ病の原因になることがわかってきており、こうした病気も見逃すことなく治療することがうつ病の改善に必要だと考えられています。

大うつ病

大うつ病 躁うつ病(双極性障害)
生涯有病率 10~15% 1%
性差 女性>男性(女性が2倍) 女性=男性
発症年齢 あらゆる年代で発症 10~20歳代での発症が多い
遺伝の影響 小さい 大きい
薬物療法 抗うつ薬 気分安定薬
(原則抗うつ剤単独での治療はしない)
うつの症状 精神科医でも識別できない

当院では、長年、「うつ病専門外来」を担当している専門家が、アメリカ精神医学会の診断基準DSM-5を基本としつつ、更に患者さんの性格(パーソナリティ)や取り巻く環境を含めて個々に「見立て」を行った上で診断を行っています。また、治療においては、軽症のうつ病では、なるべく薬を使用しないようにしております。どうしても薬物治療が必要な場合には、国内外の最新の知見を取り入れ、副作用など身体の負担を考慮して最小限の薬を使用するよう努めております。

はじめて精神科を受診される方はもちろん、これまで他の医療機関で治療されたものの十分に良くならない方も遠慮なくご相談ください。

発達障害

これまで、発達障害と呼ばれてきた自閉スペクトラム症、社会的コミュニケーション症、注意欠如・多動症は、中学生の頃までは「かわった子だ」と周囲から思われていても、診断や支援を受けることなくなんとか生活していることが多いようです。

しかし、高校生になると、地域を超えた新しい友達関係が増えたり、アルバイトや進学、就職活動などをきっかけとして、対人関係の問題が明らかになることが多いため、この時期においてご本人の発達特性について理解しておくことが、将来の進学や就職活動において大切になってきます。また、こうした発達特性が原因で、成人になっても人間関係がうまくいかず転職を繰りかえしたり、就職できずひきこもってしまうことも少なくありません。

当院では、高校生(16歳)以上を対象に、発達障害の診断(検査)と治療、支援を行っております。
また、発達障害を抱えていると、家族関係、他人との人間関係や仕事、勉強などがうまくいかないことから、うつ病や適応障害、不安障害、不眠症などが2次的に出現してしまうこともあるため、こうした2次障害に対する治療も行っております。

自閉スペクトラム症・社会的コミュニケーション症の特徴

社会性・コミュニケーションの問題
  • 他人への関心がうすい
  • 相手の気持ちが読めず思ったことをずばっと言ってしまう
  • その場の空気を読めない
  • ひととの関わり方が一方的である
  • 冗談を真に受けてしまう、自分の興味のあることを一方的に話す
  • 話がまとまらない、思っていることをなんでも口にする
想像力の問題
  • 仕儀や勉強で応用がきかない
  • 2つ以上のことを同時にできない
  • 抽象的なことを理解できない
  • 常識がわからない、ルールに従えず自己流となってしまう
  • 不器用である・ひとつのことに集中すると他を忘れてしまう
その他
  • 音、光、臭いに敏感である
  • 応用が利かないがそれに比べて記憶力や計算力の能力が高い

注意欠如・多動症(ADHD)の特徴

多動性
  • 授業や仕事中におちつかず、座っているのが難しい
  • しゃべりだすと止まらない、一方的にしゃべる
  • 夢中になると周りがみえない
衝動性
  • 会話や順番待ちの時に、横から割り込み待つことが難しい
  • 相手の話が終わらないのに、話し始める
不注意
  • 課題や活動に必要なものをなくしてしまう、忘れっぽい
  • 課題や活動を順序だてて行うことが難しい
  • 同じことを繰り返すのが苦手
  • 忘れ物や約束を忘れることが多い
  • 勉強や仕事で細かいところまで注意を払わない、うっかりミスが多い
  • 部屋の片づけを始めても集中できないため終わらない
  • 話しかけられても、聞いていないようにみえる
  • 仕事や遊びでも、注意が続かず最後までやり通せない

不安症専門外来

不安症とは過剰な恐怖および不安と、それを逃避および回避しようとする行動傾向を特徴とする疾患群です。

恐怖とは、今、目の前に迫っている脅威に対する情動反応であり、不安とは、将来の脅威を予期することです。不安症の人はこれらの脅威を過剰に避けようとし、この回避行動が正常な不安を不安症に移行させることがわかってきています。

不安症には、限局性恐怖症、社交不安症、パニック症、広場恐怖症、全般不安症などがあります。また、強迫症や心的外傷後ストレス障害(PTSD)も不安症と類似した病態を持つと考えられており、これらの治療には薬物療法と心理療法(特に認知行動療法)の併用が推奨されています。

当施設では、長年、「不安症専門外来」を担当している専門家が、アメリカ精神医学会の診断基準DSM-5に基づいて診断するとともに、更に一人ひとりの患者さんの環境要因、思考や行動パターンを評価することで、個別の治療計画を立て、診療にあたります。

限局性恐怖症

特定の者や状況に対する過剰な恐怖を特徴とする疾患です。
限局性恐怖症の人が恐れる対象には、状況(閉ざされた空間、高所、飛行機など)や自然環境(嵐、雷、水など)、動物(ヘビ、昆虫、クモなど)、身体的な危害(怪我、出血、注射など)などがあります。

社交不安症

他の人からマイナス評価を受けること(恥をかくこと)を恐れ、社交場面(人前で話をする、人前で食事をする、人前で字を書くなど)を避けることを特徴とする疾患です。

パニック症

繰り返される、死ぬのではないかと思うような突然の強烈な自律神経活動の高まり(パニック発作:動悸、呼吸苦、めまいなど)と、発作が起こることへの過剰な不安を特徴とする疾患です。

広場恐怖症

助けが得られない状況でパニック発作やその他の身体的問題が生じることを恐れ、そのような状況を避けることで行動範囲が狭まることを特徴とする疾患です。広場恐怖症の人が恐れる状況は、公共交通機関の利用や広い場所、囲まれた場所(映画館など)、列に並ぶことや群集の中にいること、家の外に1人でいることなどがあります。

全般不安症

日常生活における多数の出来事や活動についての過剰な不安と心配が6ヶ月以上続くことを特徴とする疾患です。パニック発作に類似した軽い発作を繰り返すほか、心配が絶えないため、緊張感や疲労感、集中困難、イライラ、頭痛や肩こり、不眠などを伴うことも多いです。

強迫症

不安や苦痛を引き起こす考えが繰り返し頭に浮かび(強迫観念)、その不安や苦痛を打ち消すために特定の行動を繰り返す(強迫行為)ことを特徴とする疾患です。汚染・洗浄タイプ(汚れを気にして繰り返し手を洗う)、確認タイプ(戸締りや火の元の確認が止められない)、順序・対称タイプ(「まさにぴったり(just right feeling)」と感じられるまで順序や対称性を整える)、縁起タイプ(不吉な数字を避ける、おまじないを唱える)など様々なタイプがあり、複数のタイプが併存することもあります。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)

九死に一生を得るような体験や、実際に重傷を負う、性的暴力の被害に遭うなどのトラウマ体験の後に1ヶ月以上持続する不安、恐怖を特徴とする疾患です。侵入症状(トラウマ記憶のフラッシュバック(再体験)や悪夢)、過覚醒症状(怒りっぽくなる、警戒心が強くなる、音などに過敏になる)、気分の陰性変化(自分を責める、未来が短くなったような感覚)、回避行動(トラウマ記憶を思い出さないようにする、思い出させる物や状況を避ける)などの症状を伴います。

もの忘れ外来・もの忘れ予防外来のご紹介

認知症

認知症は近年増加の一途をたどっており、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると推計されています。認知症にはいくつかのタイプがあり、それぞれ症状が異なるため治療法もタイプに応じた工夫が必要です。

また、認知症は「もの忘れ」だけでなく、「性格が変わって怒りっぽくなる」、「気分が滅入る」、「興奮する・暴言を吐く」、「実際にはその場にいない人が見えたり、いない人の声が聞こえる」、「思い込みが激しくなる」などの「周辺症状」と呼ばれるものが出現することも多く、こうした周辺症状はご本人だけでなく介護をするご家族を大変困らせます。

当院では、患者様の認知症のタイプと周辺症状を考えて、適切な治療や介護に関するアドバイスを提供しております。なお、認知症の診断に必要なMRI及びCT検査は、当院で行っておりませんので、協力病院にて施行していただいております。認知症及び周辺症状を適切に治療することで、患者様及び介護等に悩むご家族様の苦痛やご負担を少しでも軽減するお手伝いが出来ればと考える次第です。

もの忘れ(軽度認知障害)予防外来

認知症は突然発症するものではなく、数年~10年以上かけて徐々に発症するものです。近年は、認知症となる前の段階(これをMCI:軽度認知障害と呼びます)を早く発見し、対策を行うことで認知症への進行を遅らせることができると考えられています。

そこで、当院ではいくつかの検査を使用して、患者様がMCIの段階にあるかどうかを診断しています。最近、運動療法や栄養療法に認知症予防効果があることが明らかになってきており、MCIと診断された場合、認知症と関係する身体の病気がある場合はきちんと治療し、更に運動療法や栄養療法について指導を行っています。将来、認知症になるのではないかと心配をされているようでしたら、お気軽に当外来をご利用ください。

精神科セカンドオピニオン外来

セカンドオピニオン外来とは

病院等で診療を受けられている患者様が、現在の診断・治療法等について他の病院・医師の意見を聞き、患者様ご自身が今後の治療法等を決定される際の判断材料とすることです。

ご予約について

完全予約制です。ご希望の方は、医療相談室(025-274-6311相談時間:平日(月~金) 9:30~16:00)まで事前にご連絡のうえ、ご予約をお願いいたします。
相談員(精神保健福祉士)が受付いたします。

持参いただきたい資料等

  • 診療情報提供書
  • 各種検査データ(画像データ、検査所見(心理検査結果等))
  • 同意書(患者様のご家族のみが受診される場合)

診察について

原則、患者様ご本人の受診をお願いいたします。
やむを得ない事情により患者様が受診できない場合は、ご家族様のみの受診も可能です。ご家族様のみが受診される場合は、同意書が必要になります。
診察時間は概ね30分~1時間程度です。

料金について

診察料金は20,000円+税(1回につき)です。
※健康保険は適用されず、自費診療となります。

セカンドオピニオン外来をお受けできないケースについて

  • 最初から当院へ転医を目的とした場合
  • 主治医が了解していない場合
  • 主治医に対する不満、訴訟に関する場合
  • 死亡した患者様を対象とする場合
  • 相談に必要な資料を持参できない場合
  • 患者様の年齢が12歳未満の場合(小学生はお受けできません)